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意見書第21号 B型肝炎訴訟の早期全面解決を求める意見書案

番号 意見書第21号 議決年月日 平成22年12月20日
議決結果 可決
意見書第21号
  B型肝炎訴訟の早期全面解決を求める意見書案

B型肝炎訴訟の早期全面解決を求める意見書
 わが国のウイルス性肝炎患者・キャリアは300万人を超え、このうちB型肝炎患者がおよそ120万から140万人にのぼるといわれている。しかも、その感染原因の大半は、かつて法律により全ての国民・住民に集団予防接種が実施されていた時期に、その際の注射器の針・筒の不交換、あるいは輸血、血液製剤の投与などの医療行為による感染、すなわち医原性によるものといわれている。
 この問題については、平成18年6月に、最高裁判所が国に法的責任があることを明白に認め、平成21年12月に成立した肝炎対策基本法においては、国自身が、集団予防接種により肝炎ウイルス感染被害者を生んだことの責任を認めている。
 このような状況の中、集団予防接種によるB型肝炎ウイルス感染被害者の救済を求める訴訟が、全国10地方裁判所で係争中である。現在、国は裁判所の勧告に従って和解協議に応じるとしながら、補償額確保のための増税論を突如公表したり、最高裁判所で法的因果関係が確定している集団予防接種とB型肝炎被害との因果関係を軽視するなどして、不誠実な対応を取り続け、全面解決を引き延ばしている。提訴後解決を待たずに亡くなった原告はすでに11名を超え、解決まで一刻の猶予も許されない。
 B型肝炎は慢性肝炎から肝硬変、肝がんに進行し、あるいは慢性肝炎を経ずして突然肝がんを発症することもある極めて深刻な病気である。原告のみならず、多くのB型肝炎患者は、今後の症状悪化に対する不安や、多額の治療費の自己負担、そしていわれなき差別・偏見に苦しみながら日々生活している。
 よって、国は、B型肝炎訴訟の速やかな全面解決を図るとともに、B型肝炎対策をいっそう推進するため、下記事項に積極的に取り組むよう、強く要請する。

                記

1.集団予防接種による注射器の使い回しや輸血、血液製剤の投与などの医療行為によって被害を受けた被害者が原告となったB型肝炎訴訟において、速やかに被害者に謝罪し、被害者全員を救済すること。
2.肝炎患者にとって経済的負担の心配のない医療費助成制度の整備をすすめること。
3.肝炎患者に対する差別・偏見をなくすための正しい知識の啓発活動をすすめること。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

  平成22年12月20日
                        佐賀市議会

衆議院議長
参議院議長   宛
内閣総理大臣
厚生労働大臣
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