番号 | 意見書第15号 | 議決年月日 | 平成23年12月20日 |
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議決結果 | 可決 | ||
意見書第15号 任意接種ワクチンへの公費助成と定期接種化を求める意見書案 任意接種ワクチンへの公費助成と定期接種化を求める意見書 WHOを中心とする世界の医学の潮流の1つが「VPD(ワクチンで防ぐことができる疾患)の予防の徹底化」である。発症を未然に防ぐことで死亡者や後遺症を負う症例を減らすとともに、治療に要する医療資源を抑えることを期待してのことである。細菌やウイルスの薬剤耐性化の高まりを防ぎ、また、予防できる疾病を確実に防ぐことにより、他の疾患との鑑別も容易になるなど、臨床現場にもたらされるメリットも少なくない。そのため、欧米では新たなワクチンの開発が、近年とみに盛んになっている。 しかし、日本のワクチン行政は世界標準より10〜20年遅れており、いわゆるワクチンギャップと呼ばれている。欧米などでは定期接種の対象となっているおたふくかぜやみずぼうそうは日本では任意接種であり、WHOがすべての国に対して定期接種化を推奨しているヒブや小児用肺炎球菌のワクチンについては、やっと任意接種で受けられるようになったところである。また、ポリオについても、より副作用の少ない不活化ワクチンが欧米では積極的に採用されているが、日本においての取り組みはまだ遅れている。 任意接種であれば、接種費用は自己負担となり、経済的理由により接種できない場合も生まれやすい。また、任意接種であるために自治体から住民への情報も極めて不十分となり、結果として、必要なワクチンの接種が受けられない子どもが多数となる。経済格差と情報格差が健康格差をうみだすことにつながっている。 近年、ヒブワクチンや小児用肺炎球菌ワクチン、子宮頸がんワクチンなどについて、自治体独自の助成が広がり、本市でも公費助成を開始したところだが、本来、住んでいる地域によって守られる命が左右されることがあってはならない。 よって、現在、任意接種となっているワクチンの定期接種化を進めることと、国際的に安全性が確認されているワクチンについては日本でも接種できるよう、早急な取り組みを求めるものである。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 平成23年12月20日 佐賀市議会 衆議院議長 参議院議長 宛 内閣総理大臣 厚生労働大臣 |