番号 | 意見書第17号 | 議決年月日 | 平成26年10月3日 |
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議決結果 | 可決 | ||
意見書第17号 「農業・農協改革」に関する意見書案 「農業・農協改革」に関する意見書 JAは、1947年に公布された農業協同組合法により、農業者の協同組織の発達を促進し、農業生産力の増進と農業者の経済的社会的地位の向上を図り、あわせて国民経済の発展に寄与することを目的に誕生し、日本農業と国民の食や地域活動を支えてきた。 さて、政府は、本年6月に「農林水産業・地域の活力創造プラン」を改定し、農林水産業の産業としての競争力を強化するため、農山漁村の有する潜在力を発揮する施策を進めると決定した。 改定プランでは、農業の成長産業化に向けて、農協制度に関する見直し事項が整理され、単位農協の機能強化・独自性の発揮が必要とされている。また、連合会・中央会は単位農協の補完機能という観点から制度を見直すとされており、自己改革の実行を強く要請されている。 しかしこの改革は、日本の農業だけでなく、国民の食の将来を危惧するものであり、JAグル−プや農業者に大きな波紋を広げ、JAの役割をないがしろにする極めて重大な問題を引き起こす可能性がある。 政府は、自己改革を基本としつつも、所要の法整備を行うとしており、JAにおける信用・共済事業の分離や中央会制度の廃止や全農の株式会社化等で、組合員へのサ−ビスの停滞や機能不全を招くことは必然である。よって、農業振興、担い手育成、ブランドづくり等の対応が困難となり、農業者への多大な影響が懸念される。 本来、生産現場の実情を踏まえて、農業者の所得向上と地域活性化を果たしうる「農業・農協改革」であるべきものが、地方の社会システムを混乱させる改革となっており、生産現場や農業関係者からは、政府に対する不信感・不安感の声が寄せられている。 今、食糧危機が心配される中、将来にわたる安心・安全な食料生産・供給及び環境と調和できる農業を目指し、それを支える制度と地域コミュニティの再構築が必要である。 その実現のために「農業・農協改革」の実施は、農家・組合員・組織の総意に基づく自己改革を尊重し、必要な支援を行うことを強く要請する。 また、農地は、現在そして将来にわたる国民のための限られた資源であり、なおかつ地域における貴重な財産である。他方、国際的な食糧事情が不安定化している中にあって、国民への食糧の安定供給を担う公共性の高い農地の取引において許認可の公平、公正、透明性を確保するには、農業委員会の公選制を担保すべきである。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 平成26年10月3日 佐賀市議会 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 宛 農林水産大臣 内閣府特命担当大臣 (規制改革) |