番号 | 意見書第21号 | 議決年月日 | 平成26年12月18日 |
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議決結果 | 可決 | ||
意見書第21号 農業の持続的発展等に向けた農政重要課題に関する意見書案 農業の持続的発展等に向けた農政重要課題に関する意見書 農家は、これまで農畜産物の生産振興と国民への安全・安心な農畜産物の安定供給に努めているが、昨今こうした取り組みを脅かす農政上の重要課題が数多く山積している。 1つには、TPP交渉であり、11月上旬での大筋合意には至らなかったものの、交渉内容の情報開示は行われないままであり、年明け以降の急展開も予想され、予断を許さない状況が続いている。 2つ目は、水田農業政策であり、新たな農業・農村政策の実行元年において、米は、民間在庫の過去最高水準到達の見通しや、相対価格の過去最低水準への下落など、再生産可能な所得の確保すら厳しい状況になっている。 3つ目は、農協改革であり、農林水産業・地域の活力創造プランにおいて、農協制度の見直しを強く求めているが、その内容は農協が果たしてきている農業振興と地域振興の機能低下、さらには農業者への多大な影響が懸念される。 よって、これらの情勢・課題を鑑み、農業の持続的発展と豊かで暮らしやすい地域社会の実現に向けて、下記の事項を強く要望する。 記 1 TPP交渉 TPP交渉は、農業生産はもとより、「食と暮らし・いのち」に大きな影響を与え、国民生活を一変させる危険があるにもかかわらず、政府は秘密保持契約を根拠に交渉に関する情報開示を行っていない。将来に禍根を残さないためにも、政府は米国の圧力に屈することなく国会決議の実現に向け、不退転の決意をもって粘り強く交渉すること。 2 水田農業政策 (1) 平成26年産米価格下落に伴う稲作経営に係る影響を十分精査の上、実効性のある資金繰り対策を講じること。 (2) 食糧法の趣旨に沿って、主要食糧の需給と価格の安定を図り、担い手が経営展望を描けるよう、政策の見直しや米価下落が与える影響を十分検証し、再生産が可能な所得を確保し得る中長期的な施策を早急に講じること。 3 農協改革 (1) 総合事業による事業の展開 農業振興と地域振興に寄与するために、営農経済、信用(貯金・貸出等)、共済生活福祉等、多様な事業をあわせ行う総合事業によるサ−ビスが有効不可欠であることから、一方的な事業方式・法人形態の転換等を強制しないこと。 (2) 准組合員の事業利用制限 准組合員は、地域農業や地域経済の発展をともに支える組合員のパ−トナ−であり、我が国の「地方創生」を実現させる担い手でもある。地域インフラ機能を維持するためにも、准組合員に対する事業利用制限を行わないこと。 (3) 新たな中央会制度の農協法上の位置づけの明確化 中央会組織は、農業や地域の特性を踏まえた事業・経営に係る課題解決や支援展開を目的に、代表機能、総合調整機能、経営相談・監査機能に事業の絞り込みを図った「新たな中央会」として見直すこととなっているが、見直し後も機能を十分に発揮するために、農協法上の位置づけを行うこと。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 平成26年12月18日 佐賀市議会 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 宛 農林水産大臣 地方創生担当大臣 |