番号 | 意見書第19号 | 議決年月日 | 平成27年12月17日 |
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議決結果 | 可決 | ||
意見書第19号 TPP「大筋合意」の情報公開と国会審議の徹底を求める意見書 案 TPP「大筋合意」の情報公開と国会審議の徹底を求める意見書 TPP交渉参加各国の閣僚会合は10月5日「大筋合意」に達した。しかし、生産現場には「農産物重要5項目」の関税堅持を求めた衆参農林水産委員会決議が守られたのか疑問の声が強いほか、5項目にとどまらず全ての野菜や主要果実の関税撤廃など、これまで国民に全く知らされていなかった合意内容が次々と明らかになり、大きな衝撃と不安が広がっている。 農産物重要5項目を含め、日本が過去に関税を撤廃したことのない農林水産物834品目のうち、半数近い395品目で関税が撤廃され、農林水産物全体(2,328品目)では、81%に当たる1,885品目で関税がなくなるなど、日本の1次産業が全く前例のない空前の市場開放を強いられ、地域社会に与える影響も甚大である。 TPPは、国家主権や国民生活よりもグローバル資本の利益を最重視する不平等な新自由主義協定であり、その影響は農と食の安全・安心、医療、労働、環境、知的財産など国民の命と生活全般に及ぶものである。「ISDS(投資家・国家訴訟)条項」で、一国の司法権や行政権を超えてグローバル企業に強大な訴訟権を与える主権侵害の恐れも強い上、国民の知る権利をないがしろにし、国会にすらいまだ情報開示しない秘密主義など、問題点が山積している。 政府は、農産物の重要5品目の保護を求める衆参両院の農林水産委員会の決議を遵守したかどうか早急に検証するとともに、農業者が将来にわたって意欲を持ち、農業に取り組めるよう万全な対策を講ずることが不可欠である。 よって、下記事項について実現することを強く求める。 記 1 政府は、協定本文を含め詳細な情報提供を行うとともに、国民生活や農林水産業を初め国内産業に与える影響額の試算などを直ちに公表すること。 2 あらゆる情報を開示した上で、国会で徹底した議論を行い、拙速かつ安易な署名や承認を行わないこと。 3 農林水産業は国の礎であることから、将来にわたって農林漁業者が夢と希望を持って経営に取り組めるよう万全の対策を講ずること。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 平成27年12月17日 佐賀市議会 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 宛 農林水産大臣 内閣官房長官 経済再生担当大臣 |