番号 | 意見書第7号 | 議決年月日 | 平成30年10月5日 |
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議決結果 | 可決 | ||
意見書第7号 地方財政の充実・強化を求める意見書 案 地方自治体は、子育て支援策の充実と保育人材の確保、医療・介護などの社会保障への対応、地域交通の維持など、その果たす役割が拡大する中で、人口減少対策を含む地方版総合戦略の実行やマイナンバー制度への対応、大規模災害を想定した防災・減災事業の実施など、新たな政策課題に直面している。 一方、地方公務員を初めとした公的サービスを担う現場では、限られた人員の中で、新たなニーズへの対応と細やかな公的サービスの提供が困難となっており、人材確保を進めるとともに、これに見合う財源の確保が必要である。 このような中、社会保障費の圧縮や「公的サービスの産業化」など地方財政をターゲットに歳出削減に向けた動きが加速している。特に、「トップランナー方式」の推進に当たっては、地方の行政コストの差が、歳出削減努力以外の要素によるところが大きいことを考慮すべきである。 必要な公共サービスを提供するための財源を担保するのが、地方財政計画の本来の役割である。しかし、財政再建目標を達成するためだけに歳出を削減し、結果として不可欠なサービスまで削減されるようなことになれば、本末転倒であり、国民生活と地域経済が疲弊することは明らかである。 このため、2019年度の政府予算と地方財政の検討に当たっては、歳入・歳出を的確に見積もり、人的サービスの提供のため、社会保障予算の充実と地方財政の確立を目指すことが必要である。 よって、国会及び政府に対し、以下の事項の実現を求める。 記 1 社会保障、災害対策、環境対策、地域交通対策、人口減少対策など、増大する地方自治体の財政需要を的確に把握し、これに見合う地方一般財源総額の確保を図ること。 2 子ども・子育て支援新制度、地域医療の確保、地域包括ケアシステムの構築、生活困窮者自立支援制度、介護保険制度や国民健康保険制度の見直しなど、急増する社会保障ニーズへの対応と、人材を確保するための社会保障予算の確保及び地方財政措置を的確に行うこと。 3 地方交付税における「トップランナー方式」については、算定や他の業務への導入の検討に際して、地方の行政コストの差は、人口や地理的条件など、歳出削減努力以外の要素によるところが大きく、一律の行政コスト比較にはなじまないことに十分留意すること。 4 災害時における住民の命と財産を守る防災・減災事業は、これまで以上に重要であるため、自治体庁舎を初めとした公共施設の耐震化や緊急防災・減災事業の対象事業の拡充と十分な期間の確保を行うこと。また、2015年度の国勢調査を踏まえ、人口急減・急増自治体の行財政運営に支障が生じることがないよう、地方交付税算定のあり方を引き続き検討すること。 5 地域間の財源偏在性の是正のため、偏在性の小さい所得税・消費税を対象に国税から地方税への税源移譲を行うなど、抜本的な解決策の協議を進めると同時に、各種税制の廃止、減税を検討する際には、自治体財政に与える影響を十分検証した上で、代替財源の確保を初め、財政運営に支障が生じることがないようにすること。 6 地方交付税の財源保障機能・財政調整機能の強化を図り、市町村合併の算定特例の終了を踏まえた新たな財政需要の把握や小規模自治体に配慮した段階補正の強化などの対策を講じると同時に、地方交付税原資の確保については、臨時財政対策債に過度に依存せず、対象国税4税(所得税・法人税・酒税・消費税)に対する法定率の引き上げを行うこと。 7 地方自治体の基金残高を、地方財政計画や地方交付税に反映させないこと。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 平成 年 月 日 佐 賀 市 議 会 衆 議 院 議 長 参 議 院 議 長 内閣総理大臣 財務大臣 総務大臣 経済産業大臣 宛 内閣官房長官 内閣府特命担当大臣 (経済財政政策) 内閣府特命担当大臣 (地方創生規制改革) |