番号 | 意見書第15号 | 議決年月日 | 平成19年12月21日 |
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議決結果 | 可決 | ||
意見書第15号 農業政策見直しに関する意見書案 農業政策見直しに関する意見書 わが国の農業政策については、「食料・農業・農村基本法」の基本理念に基づき、平成17年に策定された「食料・農業・農村基本計画」に沿って、わが国農業の持続的な発展を目指した各種政策が実施されているところであり、平成19年度からは、戦後農政の大転換となる「米政策改革推進対策」、「品目横断的経営安定対策」並びに「農地・水・環境保全向上対策」が実施されることとなり、現在、国内農業の体質強化に向けた新たな政策に取り組んでいる。 しかし、農業、農村の現場においては、農業従事者の減少や高齢化、耕作放棄地の増加、また、WTO農業交渉やEPA・FTA交渉、あるいは原油や穀類の高騰に伴う飼料や生産資材の高騰、さらには20カ月齢以下の牛に係るBSE検査中止に伴う消費者の不信など、将来に対する不安から生産意欲が減退し、農村の崩壊すら懸念される状況となっている。 こうした中、現在実施している米政策改革推進対策については、生産調整機能が十分発揮されない中で、米価が下落し、経営を左右する危機的状況となっており、水田農業を基幹とする本県農業にとって、早急な見直しが求められる。 また、品目横断的経営安定対策については、佐賀県は農業団体と行政が一体となった取り組みにより生産面積で麦が100%、米が61%と全国でも有数の実績をあげたものの、意欲と能力があるにもかかわらず規模要件に該当しない農業者が支援の対象とならないこと、また総じて従前の対策と比較して助成金額が低いなど、多くの問題が明らかとなっている。 農業政策については、単に農業者のみならず、国民の日常生活に深く関わるため、生産現場の取り組みとともに消費者の声を積極的に反映させながら、国民の信頼と支持を得ながら実施していくことが何よりも重要である。 このように、農業、農村を取り巻く情勢はますます厳しさを増しており、新たな対策についても多くの問題が明らかとなっていることから、国においては、農業者が夢と希望を持って営農に励み、農業、農村が将来にわたり持続的に発展できるよう、下記の事項について強く要望する。 記 1.米政策改革推進対策については、政府主導による実効ある生産調整制度に見直すとともに、米価格下落に直面する農業者が今後とも意欲を持って農業経営が継続できるような対策を講じるなど、農業現場の実情を踏まえて見直すこと。 2.品目横断的経営安定対策については、意欲と能力を有する農業者が希望を 持って農業経営に従事できるよう規模等要件の緩和やゲタ・ナラシ対策の拡大など、農業現場の実情を踏まえて見直すこと。 3.WTO農業交渉やEPA・FTA交渉は、国内農業の持続的な発展が将来 にわたって可能となるよう慎重に交渉を行うこと。 4.原油価格等の高騰に対処するため、農業施設・設備の省エネルギー化に向 けた技術開発を推進するとともに、農業者の経営コスト削減に向けた新たな取り組みに対する支援措置を講ずること。 5.BSE全頭検査は、消費者の安心の確保に大きく寄与するものであること から、自治体が行う自主検査への国庫補助を継続し、BSE全頭検査体制が維持されるよう措置すること。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 平成19年12月21日 佐賀市議会 衆議院議長 参議院議長 宛 内閣総理大臣 農林水産大臣 |