番号 | 意見書第16号 | 議決年月日 | 平成20年9月30日 |
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議決結果 | 可決 | ||
意見書第16号 新たな過疎対策法の制定を求める意見書案 新たな過疎対策法の制定を求める意見書 本市においては、合併した旧富士町、旧三瀬村が過疎地域の指定を受けていた。 大幅な人口減少をきたしたこれらの町村に対して、昭和45年に過疎地域対策緊急措置法が制定されて以来、現在まで3次の特別措置法により、総合的な過疎対策が実施されてきた。 平成17年10月に本市は、これらの町村と合併し、新たな一歩を踏み出したところであるが、昨今の地方経済の疲弊と地方交付税の削減のなかで、合併交付金等の財源措置はあるものの、医療保険、介護保険、中心市街地商店街対策等にも財源が必要であり、合併した過疎地域である町村について地域の振興を図るためには、引き続き過疎債や補助率引き上げ等の手当が必要である。 合併により、本市の人口減少率や財政力指数は現行の過疎地域指定からは難しくなる可能性があるが、合併した旧町村について、平成17年度国勢調査で昭和35年からの人口減少率を試算すると、旧富士町で43.5%、旧三瀬村で41.5%であり人口が半減している。 更に、これらの旧町村の主要産業は農林水産業であり、農産物価格の低迷や耕作に不利な中山間地域が多く、その経済基盤は脆弱であり、後継者難のなかで、少子高齢化が進み、農業用水路の清掃管理等の共同作業が困難となり、祭りが廃れ、葬儀等の地域での対処もできない等の問題が生ずるおそれがある。地方財政が厳しい中で、合併後のこれらの旧町村の過疎地域への振興対策が困難になれば、この傾向が加速し、いわゆる限界集落として、集落の消滅、荒廃地増加や森林荒廃を来たし、県土保全が図れず、異常気象に際しては、下流への土石流等の災害発生をも考えられる。 これらの過疎である旧町村は長い歴史のなかで、営々と県土を開発し、広大な平野や棚田をつくり、杉や檜の造林を行うなどして、人の営みを続けてきた。 過疎による人口減少は豊かで美しいこの歴史と文化に支えられた地域を消滅させるものであり、本市にある旧町村の過疎地域の集落が引き続き存続できるような施策が引き続き求められる。このための過疎対策法と財源対策は合併した本市における均衡ある発展をすすめるための必要条件である。 そのため、現行の「過疎地域自立促進特別措置法」が平成22年3月末の期限を迎える中で、合併町村にある旧過疎地域を含めた総合的な過疎対策を図るために、新たな過疎対策法の制定を要望するものである。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 平成20年9月30日 佐賀市議会 衆議院議長 参議院議長 宛 内閣総理大臣 総務大臣 |